「新NISAを始めたいけど、貯金が少なくても大丈夫?」
「投資を始める前に、いくら貯金しておけばいいの?」
新NISAに興味があっても、こうした疑問から投資を始められない方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、新NISAを始めるために必要な貯金額に、一律の正解はありません。大切なのは、自分の生活費に応じた備えを確保し、無理のない金額で投資することです。
私は約10年前に旧NISAから資産運用を始め、現在は新NISAと不動産投資にも取り組んでいます。
この記事では、投資を始める前に知っておきたい生活防衛資金の目安や、毎月の積立額の決め方を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
新NISAを始める前に貯金はいくら必要?
新NISAを始めるにあたって、「貯金が100万円貯まってから」「まずは300万円必要」といった明確な決まりはありません。
なぜなら、必要な貯金額は毎月の生活費や家族構成、収入の安定性によって変わるからです。
例えば、毎月の生活費が15万円の一人暮らしと、生活費が30万円の子育て世帯では、同じ100万円の貯金でも安心感は異なります。
そこで、投資を始める前に考えたいのが「生活防衛資金」です。
筆者「周りがいくら投資しているか」よりも、まずは自分の生活費を把握することが大切ですね。
生活防衛資金は生活費の3〜6か月分がひとつの目安
生活防衛資金とは、病気やけが、失業などによって収入が減った場合でも、当面の生活を維持するために確保しておくお金のことです。
一般的には、毎月の生活費の3〜6か月分がひとつの目安として紹介されます。
ただし、これは誰にでも当てはまる正解ではありません。
例えば、共働きで収入が安定している世帯と、収入の変動が大きい自営業の方では、必要な備えも違います。
扶養する家族がいる場合や、転職・独立を予定している場合などは、6か月分以上の備えを検討してもよいでしょう。
大切なのは、貯金額そのものではなく、急な収入減少や支出があっても生活を続けられるかどうかです。
貯金が少ない場合は投資より生活の安定を優先
新NISAは少額から始められますが、貯金がほとんどない状態で無理に投資する必要はありません。
例えば、貯金が10万円しかない状態で毎月3万円を投資していると、家電の故障や急な医療費が発生した際に、手元のお金が不足する可能性があります。
その結果、投資信託を売却して現金を用意しなければならなくなるかもしれません。
投資信託は、必要なときに必ず値上がりしているわけではありません。相場が下落していれば、損失が出た状態で売却することも考えられます。
そのため、まずは日常生活に必要なお金と、急な出費に対応できる貯金を優先しましょう。
生活に支障がない場合は、少額の積立投資を経験しながら貯金を増やす方法もあります。
焦って大きな金額を投資するよりも、長く続けられる状態を整えることが重要です。
生活防衛資金はいくら?生活費別にシミュレーション
では、生活防衛資金は具体的にいくら用意すればよいのでしょうか。
計算方法はシンプルです。
生活防衛資金=毎月の生活費×備えておきたい月数
例えば、毎月の生活費が20万円なら、3か月分で60万円、6か月分で120万円となります。
毎月の生活費から必要額を計算する
生活費別に計算すると、次のようになります。
| 毎月の生活費 | 3か月分 | 6か月分 |
|---|---|---|
| 10万円 | 30万円 | 60万円 |
| 15万円 | 45万円 | 90万円 |
| 20万円 | 60万円 | 120万円 |
| 25万円 | 75万円 | 150万円 |
| 30万円 | 90万円 | 180万円 |
※あくまで計算例であり、すべての世帯に必要な金額を示すものではありません。



生活費の3〜6か月分はあくまで目安です。家族構成や働き方によって、自分に合った金額を考えたいですね。
ここで注意したいのが、毎月の生活費を少なく見積もりすぎないことです。
家賃や住宅ローン、食費、光熱費だけでなく、通信費、保険料、交通費なども確認しましょう。
また、固定資産税や自動車税、車検代、年払いの保険料など、毎月は発生しない支出もあります。
こうした支出を忘れると、実際に必要なお金よりも少なく見積もってしまいます。
生活防衛資金とは別に、近いうちに使う予定のあるお金も確保しておくと安心です。
一人暮らし・子育て世帯で考え方は変わる
生活防衛資金を考えるときは、家族構成も重要です。
例えば、一人暮らしで毎月の生活費が15万円なら、6か月分は90万円です。
一方、子育て世帯で毎月の生活費が30万円なら、同じ6か月分でも180万円が必要になります。
さらに、子育て世帯では教育費や医療費など、急な支出が発生することもあります。
住宅ローンや家賃など、毎月必ず支払わなければならない費用が大きい場合も注意が必要です。
また、会社員であれば公的な保障や勤務先の制度を利用できる場合がありますが、自営業の場合は備えを厚めに考える必要があるかもしれません。
このように、生活防衛資金は他人の貯金額と比較するのではなく、自分の家計や働き方に合わせて考えることが大切です。
新NISAの積立額は毎月いくらがいい?
生活防衛資金の目安がわかったら、次は新NISAで毎月いくら積み立てるかを考えてみましょう。
SNSなどでは「毎月5万円積み立てています」「新NISAの年間投資枠を使い切っています」といった投稿を見かけることがあります。
しかし、他人の積立額をそのまま参考にする必要はありません。
収入や生活費、貯金額は人それぞれ違うからです。
大切なのは、毎月の積立額を無理なく継続できるかどうかです。



最初から大きな金額を積み立てる必要はありません。無理なく続けられる金額から始めて、余裕ができたら見直していきましょう。
家計の余剰資金から積立額を決める
積立額を決めるときは、まず毎月の収入と支出を確認しましょう。
例えば、次のような家計を考えてみます。
| 項目 | 月額 |
| 手取り収入 | 25万円 |
| 生活費 | 19万円 |
| 毎月の収支差額 | 6万円 |
この場合、毎月6万円の余裕があるように見えます。
ただし、この6万円をすべて新NISAに回すのは慎重に考えたいところです。
生活防衛資金が不足しているなら、まずは貯金を増やす必要があります。
また、旅行や家電の買い替えなど、近いうちに使う予定のお金も残しておきたいところです。
例えば、毎月の収支差額6万円のうち、3万円を貯金、1万円を新NISA、残り2万円を臨時支出への備えにする方法もあります。
これはあくまで一例ですが、生活費・貯金・投資を分けて考えることで、無理のない積立額を決めやすくなります。
生活防衛資金が十分に確保できていない場合は、投資額をさらに少なくする、あるいは投資を始めずに貯金を優先する選択も合理的です。
月1,000円・5,000円・1万円から始める場合
新NISAでは、制度上の最低投資額は一律に決められていませんが、金融機関や商品によっては月100円程度から積立投資ができます。
そのため、最初から大きな金額を用意する必要はありません。
例えば、毎月の積立額によって、1年間の投資元本は次のように変わります。
| 毎月の積立額 | 1年間の投資元本 |
| 1,000円 | 12,000円 |
| 5,000円 | 60,000円 |
| 10,000円 | 120,000円 |
| 30,000円 | 360,000円 |
※運用による値上がり・値下がりは考慮していません。
月1,000円では資産が大きく増えるまで時間がかかりますが、少額で積立投資の仕組みを経験できるメリットがあります。
一方、毎月1万円や3万円を積み立てれば投資元本は増えますが、その分、家計への負担も大きくなります。
また、積立額が大きいほど、相場が下落した際の評価損も金額として大きくなる可能性があります。
投資に慣れてきたり、収入が増えたりした場合は、後から積立額を見直すこともできます。
最初から無理をせず、家計に合った金額を設定しましょう。
私が旧NISAから投資を始めて感じたこと
私は約10年前、旧NISAの頃から資産運用を始めました。
現在は新NISAを活用した投資に加えて、区分マンション1室を所有し、不動産投資にも取り組んでいます。
実際に両方を経験して感じるのは、投資を続けるためには、利益だけでなくリスクや資金管理について考えることが大切だということです。
株式や投資信託は、相場によって評価額が変動します。
また、不動産投資でも空室や修繕など、予定していなかった支出が発生する可能性があります。
投資の種類は違っても、手元に余裕資金を残しておくことの重要性は共通していると感じています。
新NISAについても、周囲の積立額やSNSの情報だけを見て、無理に投資額を増やす必要はありません。
自分の収入や生活費、将来の予定を踏まえて、安心して続けられる金額を考えることが大切だと思います。
投資を始めること自体がゴールではありません。
将来の生活を少しでも豊かにするために、今の生活を犠牲にしすぎないことを意識したいですね。



私自身、旧NISAから投資を続けてきましたが、投資額の大きさよりも、自分のペースで継続することを大切にしています。
新NISAと貯金についてよくある質問
貯金100万円あれば新NISAを始めても大丈夫?
貯金100万円が十分かどうかは、毎月の生活費によって変わります。
例えば、生活費が15万円なら約6.7か月分ですが、生活費が30万円なら約3.3か月分です。
また、近いうちに車の購入や引っ越しなどの予定があれば、その費用も別に確保する必要があります。
金額だけで判断せず、自分の生活に必要な備えがあるかを確認しましょう。
月1,000円の積立でも意味はある?
月1,000円でも、積立投資の仕組みや価格変動を経験することはできます。
ただし、投資額が少なければ、将来形成できる資産も限定的です。
最初は少額で始め、家計に余裕ができたら積立額を見直すという方法もあります。
生活防衛資金はどこに置いておけばいい?
生活防衛資金は、急な出費が発生したときに使えることが重要です。
そのため、基本的には普通預金など、必要なときに引き出しやすい場所で管理するのがよいでしょう。
株式や投資信託は価格が変動するため、生活防衛資金の保管先には向いていません。
まとめ|貯金と投資のバランスを考えて新NISAを始めよう
新NISAを始める前に必要な貯金額は、毎月の生活費や家族構成、収入の安定性によって異なります。
今回のポイントを整理すると、次のとおりです。
- 生活防衛資金は生活費の3〜6か月分などをひとつの目安にする
- 近いうちに使う予定のお金は投資資金と分けておく
- 貯金が不足している場合は生活の安定を優先する
- 新NISAの積立額は家計の余剰資金から決める
- 最初は少額でも、無理なく継続できることが大切
新NISAは資産形成に役立つ制度ですが、投資には元本割れのリスクがあります。
まずは自分の家計を確認し、安心して続けられる金額を考えてみましょう。
生活防衛資金と積立額の目安が決まったら、次は証券口座の準備です。
楽天証券での口座開設方法については、こちらの記事で初心者向けに解説しています。


焦らず、自分のペースで資産形成を始めていきましょう。









